新聞紙を繊維状(ファイバー)状にすると、ファイバーがからまりあって空気層ができます。
またセルロース(木)ファイバー(繊維)自身の中にも細かい気泡があって両方の空気層が断熱層をつくっています。
グラスファイバーなどの無機質の断熱材は繊維自体に空気層がありません。
しかし、残念ながらセルロースファイバーの断熱性能はNO.1ではありません。
ほとんどの断熱材は空気のチカラを利用しています。
空気の大きさが小さくできる化学製品のほうが断熱性能は高くなります。
断熱性能が高いということは、同じ性能(熱を伝えにくくする)でも薄くて済みます。
セルロースファイバーは通常壁の中なら10.5cm以上をぎっしり使用します。
(一般的には10.5cm角の柱を使用しています)
現在、市販されている断熱性能の高いセキスイさんのフェノバボードや旭化成さんの
ネオマフォームなら約6割の厚みで同じ数値(熱抵抗)になります。
種類 |
熱伝導率 |
グラスウール10K |
0.050 |
ロックウール40-150K |
0.044 |
高性能グラスウール16K |
0.036 |
羊毛ウール |
0.035 |
セルロースファイバー |
0.034 |
ビーズ法EPS |
0.034 |
硬質ウレタンフォーム |
0.024 |
吹き付けウレタンフォーム |
0.022 |
フェノールフォーム |
0.021 |
数値だけでは測れない断熱性!
セルロースファイバーが優れた断熱性能を発揮するのは、
工事現場でぎっしりと吹き込み施工するからです。
他の板状やマット状の断熱材の場合は、施工研修を受けた
マイスターと呼ばれる技能職人さんがマニュアル通りに
しっかり施工しないと【隙間】が生じることがあります。
この【隙間】が断熱欠損になり結露の問題を
引き起こす例がたびたびあります。
高性能グラスウールとほぼ同じ断熱性能です。
断熱性能だけを見ればネオマフォームなど優れた断熱材があります。
しかし工事現場で断熱材を隅々まで吹き込むという
手間をかけた工事だけに隙間が生じにくく
(断熱欠損がでない)数値以上の効果が得られています。
実際隙間が5%あるだけでグラスウール10Kなら
断熱性能がゼロになっています。
壁の中や天井の中なので目に見えないだけに怖い話です。
セルロースファイバーもマイスターが施工するのが原則ですが、
ぎっしり吹き込みするので【断熱欠損】が生じにくい特徴があります。