セルロースファイバーの原料は未使用新聞紙。
新聞紙は木のチップでできています。
だからセルロースファイバーを吹き込んだ壁や天井は木の細かな繊維がぎっしり。
小さく細かく絡まりあった木の繊維は音を吸収してくれます。
断熱材としては普及率NO.1のアメリカでは、
セルロースファイバーは飛行場周辺の住宅の防音材として指定されています。
日本古来の木造住宅は土壁が音を和らげてくれたり
柱や梁の木が音を吸収してくれていました。
最近の住宅は気密が良くなって外部からの騒音が
苦にならなくなりましたが、室内の反響音が問題になっています。
特に柱のない2×4工法の家に顕著です。
(本場、米国の家は80坪もの大空間が解消してくれているようです)
音は固い材料には反響しやすいので新築やリノベーションの場合は
床材に無垢を、壁には珪藻土(ナテユール)をお勧めしています。
セルロースファイバーは吸音効果が高いので外壁の断熱だけでなく、
1階と2階の間に施工すると2階の足音や話し声などを和らげてくれます。
二世帯住宅を新築したけれど二階の歩く音や話し声がうるさくて、何とかならないか
そんな相談を受けて現地を拝見すると立派な入母屋の注文住宅です。
問題の部屋は老夫婦の和室で竿縁天井。
その二階は子供室でフローリング床。
もちろん、その二階床と一階天井との間はがらんどうの空間。
この空間が曲者で二階の音を太鼓現象で増幅しています。
早速、特殊な長筒を用意して点検口からセルロースファイバーを吹込み作業。
結果、まったく無音になった訳ではありませんが、音が半減したのに大喜び。
こちらのトイレにもキッチンにもと追加施工の一日でした。