【プロが断言】遮熱塗料・遮熱材は本当に効果があるのか?断熱材との正しい使い分けを徹底解説

遮熱塗料の効果 暑さ対策

遮熱塗料や遮熱材は、夏の暑さ対策として注目されますが、その効果は限定的であり、過度な期待は禁物です。


この記事はこんな内容です↓

  • 熱の伝わり方には「伝導」「対流」「輻射」があり、遮熱材は「輻射」熱を反射しますが、真空状態で最も効果を発揮するという特性があります。
  • 断熱材は「伝導」と「対流」を防ぐためのものであり、まずは断熱性能を確保することが住宅の快適性を高める基本です。
  • 「白い一般塗料」は高価な遮熱塗料と遜色ない遮熱効果を発揮するというテスト結果もあり、賢い選択が求められます。
  • この記事では、遮熱材の真実と、断熱材と遮熱材の正しい使い分けについて、建築のプロが徹底的に解説します。

遮熱塗料の宣伝に惑わされないで!その効果の真実

夏が近づくと、屋根や外壁に塗る遮熱塗料の宣伝を多く見かけるようになります。
「NASAの技術」「日傘効果」「セラミックビーズによる断熱効果」など、
魅力的な謳い文句が並びます。
しかし、私たちは建築のプロとして、その効果について冷静な判断を持つべきだと考えています。

熱の伝わり方と遮熱材の役割

熱の伝わり方には、以下の3種類があります。

1.伝導(でんどう): 物質を介して熱が伝わる(例:フライパンの取っ手が熱くなる)

2.対流(たいりゅう): 空気や水などの流体の移動によって熱が伝わる(例:エアコンの温風)

3.輻射(ふくしゃ): 電磁波として熱が伝わる(例:太陽の光、焚き火の熱)

遮熱材は、このうちの「輻射」熱を跳ね返すことを目的として開発されました。主にアルミなどの反射率の高い素材が用いられます。

驚きのテスト結果:「白い一般塗料」で十分!?

かつて『日経ホームビルダー』2008.11号に掲載された特集
「塗料による遮熱効果の違いを確かめる」では、
興味深い結果が示されました。

鉄板の上に一般塗料遮熱塗料、そして断熱塗料を各色白、黒、グレー、赤銅と塗布して
温度計測した結果がグラフとともに掲載されています。

驚いたことに白色の一般塗料は、同じ白色の遮熱塗料と表面温度差が
全くと言っていいほど差がありませんでした

この結果は、高価な遮熱塗料を選ぶよりも、白い一般塗料で十分な遮熱効果が得られる可能性を示唆しています。
(遮熱塗料メーカーや塗装業者のPRは、断熱材が全くない工場や倉庫の屋根に塗布した結果を基にしているケースが多く、断熱施工された一般住宅にはそのまま当てはまらないことを理解しておく必要があります。)

遮熱材の限界と「真空」の重要性

私たちは昭和60年代の初めにアルミ遮熱シートに出会い、その効果を検証してきました。アルミは金、銀に次いで輻射熱を反射する効果が高い素材です。

しかし、大学の先生や研究機関からのアドバイス、そして長年の経験から、ある重要な結論に達しました。

輻射熱を反射する遮熱という考え方は、 真空状態で効果が発揮されるという事でした。

魔法瓶がガラスに銀を塗布した真空で断熱しているように、真空(宇宙)状態が遮熱効果の「キモ」なのです。NASAのロケットで開発された遮熱材が宇宙で使用されるのも、この原理に基づいています。

一般住宅の環境下では、遮熱材は「使わないより使ったほうがマシ」という程度の効果しか得られず、断熱性能を代替する素材にはなり得ないというのが、私たちの結論です。

【動画解説】遮熱材の詳しい説明

遮熱材について、さらに詳しく知りたい方はこちらの動画をご覧ください。


この動画の要点は?↓

  • 遮熱材の原理:遮熱材は熱の3要素(伝導、対流、輻射 )のうち、輻射熱を反射する働きがあります。特にアルミなどの金属が持つ反射率の高さを利用しています。
  • 断熱材との違い: 断熱材は主に伝導熱と対流熱を抑える役割を果たしますが、遮熱材は輻射熱を抑える役割です。この違いを理解し、両者を適切に組み合わせることが重要です。
  • 遮熱材の効果的な使い方: 遮熱材は、輻射熱は跳ね返すが対流熱には弱いという性質があり、工事をする場所に対流を起こさせないように十分注意が必要です。すると輻射熱を反射してくれるので、効果が高くなります。
  • 注意点: 遮熱材はあくまで補助的な役割であり、断熱材の代わりにはなりません。まずは十分な断熱性能を確保した上で、夏の屋根裏など、輻射熱の影響が大きい箇所に補助的に使用するのが賢明です。

賢い選択:断熱材と遮熱材の正しい使い分け

建築のプロとして、私たちが推奨する賢い選択は以下の通りです。

1.最優先事項は「断熱」: まず、断熱材を用いて住宅の断熱性能を確保することを最優先にしてください。これにより、「伝導」と「対流」による熱の移動を防ぎ、冬の寒さや夏の暑さから家を守る基本が確立されます。

2.遮熱材は「補助」として検討: 断熱性能を確保した上で、遮熱材や遮熱塗料が非常に安価であれば、夏の屋根からの「輻射」熱対策として採用を検討しても良いでしょう。

結論: 遮熱塗料でもアルミシートでも、断熱性能はわずかな値しか得られません。 まずは断熱施工を優先し、その上で遮熱材を補助的に利用するのが、快適で高性能な住まいを実現するための正しいアプローチです。

遮熱塗料メーカーや塗装業者のPRでは断熱材が全くない工場や倉庫の屋根に
塗布した結果の温度分布図を表示して効果を宣伝しているケースが目立ちます。

遮熱塗料メーカーの宣伝に惑わされることなく、断熱材と遮熱材の役割を正しく理解し、
賢い選択をすることが大切ですね。

まとめ:高性能な住まいづくりはプロにご相談を

遮熱塗料や遮熱材は、断熱材の代わりにはなりません。
快適な住まいづくりは、まず適切な断熱施工から始まります。

具体的な断熱施工の方法についてお聞きになりたい方や、
断熱・気密、結露・カビ対策など、家にまつわるお悩みはなんでもご相談ください。

運営者:ニルバクラブ代表 至福太郎
工務店経営43年、全国の工務店100社以上のネットワークを構築し現場指導などに当たっている。現在、YouTubeやインスタグラムの運用を通じて【安心安全で快適健康な住まいづくり】をモットーに発信中!断熱・気密、結露・カビ対策など、家にまつわるお悩みはなんでもご相談ください♪結露対策のプロフェッショナルです。

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