この記事はこんな内容です↓
- Air断住宅で「効果がない」というクレームが発生する本当の理由を、実際の検証事例に基づいて解説します。
- 高性能なAir断システムを台無しにする決定的な「たった2つの原因」を特定し、その対策をプロの視点から詳述します。
- Air断の真の性能を最大限に引き出し、快適で健康な住まいを実現するための工務店選びのチェックリストを公開します。
「Air断は効果がない」というクレームの真実
Air断(エア断)工法は、壁体内の空気を循環させ、家全体を断熱材で包み込むことで、高い断熱性・気密性・調湿性を実現する画期的なシステムです。しかし、残念ながら「Air断は効果がないじゃないか!」というクレームが寄せられる事例も存在します。
私たちは、工務店経営40年以上の経験と、Air断本部(ホームリサーチ社)による検証結果に基づき、このクレームの真実を突き止めました。結論から申し上げますと、Air断システムそのものに問題はありません。
問題は、施工業者がAir断の性能を発揮させるための「約束事」を守らなかったこと、つまり施工不良にありました。
動画で紹介されたクレーム事例の概要は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
| クレーム内容 | Air断住宅を新築したが、期待した断熱効果が得られない。 |
| 検証主体 | Air断本部(ホームリサーチ社) |
| 検証結果 | Air断システム自体の欠陥ではなく、施工業者の知識不足による施工不良が原因。 |
| 原因の核心 | Air断の核となる「換気経路の確保」と「気密性の確保」という2つの約束事が守られていなかった。 |
この事例は、Air断住宅の性能が、工務店の知識と技術力に大きく左右されるという重要な事実を浮き彫りにしています。
クレーム事例から判明した高性能を台無しにする「たった2つの原因」
Air断の高性能を台無しにしてしまう原因は、主に以下の「たった2つの原因」に集約されます。これらは、Air断工法が持つ「家全体を一つのシステムとして考える」という特性を理解していないために起こります。
原因1:換気経路の確保という「約束事」の不履行
Air断工法は、壁体内の空気を循環させることで、断熱・調湿効果を発揮します。この空気の流れをスムーズにするための「換気経路」が非常に重要です。
動画のクレーム事例では、この換気経路が適切に確保されていませんでした。
- 問題点: 換気経路を塞いでしまうような設計や施工が行われていた。
- 結果: 空気が滞留し、Air断の持つ最大のメリットである「家全体の調湿機能」が機能不全に陥りました。これにより、断熱効果の低下や、壁体内結露のリスクが高まります。
Air断は、単なる断熱材ではなく、空気の流れを利用したシステムです。このシステムの設計思想を理解し、換気経路を確実に確保することが、効果を発揮させるための大前提となります。
原因2:気密性の確保の失敗
Air断工法に限らず、高性能住宅において「気密性」は断熱効果を左右する最も重要な要素の一つです。気密性が低いと、せっかくAir断で家全体を包み込んでも、隙間から外気が侵入し、室内の快適な空気が逃げてしまいます。
クレーム事例では、特に以下の点で気密性が損なわれていました。
| 施工不良の具体例 | Air断性能への影響 |
| 引き違い窓の使用 | 構造上、気密性が確保しにくく、隙間風の原因となる。 |
| 気密タイプのドア・点検口の不使用 | ドアや点検口周りから空気が漏れ、気密ラインが破綻する。 |
| 気密テープの不適切な施工 | わずかな隙間から湿気を含んだ空気が侵入し、壁体内結露の原因となる。 |
気密性の確保は、「C値(相当隙間面積)」という数値で客観的に評価されます。Air断住宅では、このC値を極めて低い数値(高気密)で実現することが、効果を発揮させるための必須条件です。

Air断の真の性能を引き出すための「3つの勘所」
Air断の性能を最大限に引き出し、快適で健康な住まいを実現するためには、以下の「3つの勘所」を理解し、確実に実行できる工務店を選ぶことが重要です。
| 勘所 | 概要 | 失敗事例との関連 |
| 1. 換気経路の確保 | 壁体内の空気の流れを設計通りに確保し、家全体の調湿・断熱システムを機能させる。 | 原因1:換気経路の不履行 |
| 2. 徹底した気密処理 | C値を測定し、高気密(C値1.0以下推奨)を実現するための適切な部材選定と丁寧な施工を行う。 | 原因2:気密性の確保の失敗 |
| 3. Air断の設計思想の理解 | Air断を単なる建材ではなく、家全体を一つのシステムとして捉え、設計・施工・監理の全てにその思想を反映させる。 | 根本的な知識不足 |
これらの勘所を正しく理解し、確かな技術力で設計・施工すれば、新築・リノベーション、平屋・二階建てを問わず、Air断の効果は必ず発揮されます。
Air断住宅で失敗しないための工務店選びのチェックリスト

Air断住宅で失敗しないためには、工務店が上記の「勘所」を理解し、実行できる能力があるかを事前に見極めることが不可欠です。以下のチェックリストを参考に、工務店を選びましょう。
| チェック項目 | 確認ポイント | 目的 |
| Air断の施工実績 | 施工実績数、特にクレーム事例への対応実績があるか。 | 経験と問題解決能力の確認 |
| C値の測定 | 全棟でC値測定を実施し、その数値を公開しているか。目標C値はどの程度か。 | 気密施工への意識と技術力の確認 |
| 換気経路の説明 | Air断の換気経路の仕組みを、素人にも分かりやすく説明できるか。 | Air断システムの理解度の確認 |
| 使用部材の選定 | 引き違い窓を避け、気密性の高いドアや点検口を標準採用しているか。 | 気密性へのこだわりと知識の確認 |
| 保証・アフターフォロー | Air断システムに対する長期保証や、定期的な点検体制が整っているか。 | 施工後の安心感の確保 |
まとめ:Air断は正しく施工すれば最高の断熱工法である
Air断住宅の「効果がない」という声は、Air断工法そのものの問題ではなく、「施工品質」の問題に起因します。
Air断は、正しく施工されれば、
- 高い断熱性で一年中快適な室温を保ち、
- 優れた調湿性で結露やカビの発生を防ぎ、
- 健康で快適な暮らしを実現する、 最高の断熱工法の一つです。
あなたの住まいが、Air断の真の高性能を享受できるよう、ぜひ上記のチェックリストを参考に、信頼できる工務店を選んでください。
断熱・気密、結露・カビ対策など、住まいに関するご相談は、
工務店経営40年以上のプロである私たち「住まいの相談窓口」へお気軽にお問い合わせください。




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