結露はなぜ、おきる?
カビの発生の原因にもなる「結露」。
今回はその「結露」が発生する原因を解説していきます。
結露の原因は空気中の水蒸気
冬の窓ガラスに発生しやすい結露は空中の水分(水の分子)が
結晶(水滴)となった現象です。
空中の水分とは一般的に水蒸気と表現されていますので、以降、水蒸気と表現します。
空中には目には見えませんが水蒸気が漂っています。
水蒸気はどこにでも存在する?
宇宙に行くと【結露現象】は起こりません。
この水蒸気が存在するのは大気圏の中だけです。
乾燥しているイメージの砂漠地帯にも、水蒸気は存在しています。
砂の下を数メートルも掘れば、湿った砂になります。
もちろん、私たちが生活している地域では地下水が存在しています。
近くには川が流れていて海に注がれています。
湖や海の表面からは水分が蒸発して空中に溶け込みます。
また上空では雲になり、やがて雨になって地表に水分が降り注ぎます。
また生活していると発生する水分もあります。
お風呂やキッチンでの煮炊きからも発生して、空中の水分の量を増やします。
それだけではありません。
生活している私たちのカラダからも発生しています。
何もしないで、じっとしているだけでも1時間に約30㎖。
暑い夏には普通の生活だけで1日3ℓの水分を汗として出しているそうです。
これらの水分が空中の水分量を増やしているのですね。
温度が下がると結露が発生する
空気中の水の分子は湿度(湿気の量)として表現されます。
湿度50%と表現されるときの水蒸気の量は17.3gです。
ただし、これは温度が20℃のときの空気1㎥(1m×1m×1m)に対してです。
温度が高くなるほど、その空中に含むことができる水蒸気の量は多くなります。
例えば温度が20℃から35℃になると40gまで2倍以上になります。
空気中に含むことができる限界の水蒸気の量を飽和水蒸気量といいます。
下記のグラフで表されます(気象庁のホームページより)
温度が低くなれば同じ1㎥の空気中に含むことができる水蒸気の量は減ってしまいます。
0℃になると5g/㎥しか保つことができません。
だから20℃の空気で湿度50%のときの水蒸気は0℃になると飽和してしまいます。
17.3gあった水蒸気は5gしか保てないので12.3gの水蒸気は水=液体になります。
これが結露として表れてくるのです。
ガラス・コップの水に氷を入れるとコップの表面に結露が現れますね。
当然ですがコップの中の水が出てきた訳ではありません。
コップの中の水の温度は冷えて0℃に近くなります。
コップ表面近くの温度も輻射熱の影響で低くなります。
温度が低くなると保有できる水蒸気の量も減ってしまい、結露するのです。
結露による建物への影響
結露現象があるからと言って建物に、すぐ悪影響があるわけではありません。
結露は乾いたタオルなどで拭き取ればいいのです。
影響がでるのは結露を放置しておいて写真のように窓ガラス下部の木が汚れたり
カビが発生する場合です。
湿気を防ぐ方法について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。